どんなに素晴らしい効果がある商品でも、それだけでは売れません。
その商品やサービスに、新しい発見、新鮮な驚きがないと購入に至らないのが、今のお客様たちです。
私は「通販コンサルタント」という仕事もしているので、いろんな会社の方が商品を売るための相談を、私のところに持ち込んでこられますが、そこを理解していただくのが、案外、大変だったりもします。
結局、資本力があればどうにでもなるわけですが、広告費とか販売促進費を、毎月、1000万とか2000万じゃんじゃか使えるような会社でない限りは、しっかりと戦略を練ったうえで通販ビジネスに取り組まないと、うまくいくことはありません。
(ちなみに、私は、一部上場企業の広告代理店とも、外部コンサルタントとして業務提携を行ってますので、そういう資本力のある会社の商品を売るための相談もお受けすることがありますが、そういう会社の戦略と、そうでない会社の戦略はまったく異なります)
私に相談を持ちかけてこられる社長さんのほとんどは、こうおっしゃいます。
「この商品は、これこれこうだから、広まれば売れる」と。
でも、残念なことに、社長さんが、いくら商品に自信を持っていても、そのままじゃ、広まっても売れない。
というか、まず広まらない。
そんなケースがほとんどです。
以前、こんなことがありました。
ある社長さんが、ツバキ油のシャンプーの通販がしたいと、私の会社に宮崎から訪ねて来たときの話。
その社長さんは、私に会うなり、宮崎のツバキの話や、ツバキ油がいかに髪の毛によいか、そんな話をまくしたててきたのです。
30分くらい、ツバキ油の効果・効能を事細かくお話しされたのちに、
「ね、時枝さん、このシャンプー、売れそうでしょ?」
と、満面の笑みでおっしゃるので、私は、まさに苦笑い。。。
効果・効能さえ伝われば売れる。
そう思ってる方がいますが、冒頭にも申し上げた通り、まったくそんなことはありません。
実際のところ、商品によっては「薬事法」などの法律の絡みがあって、効果・効能をPRしにくいものも多々あります。
化粧品などが、その代表例。
たとえ、その商品に、シミやシワが消えてしまうような凄い効果・効能があったとしても、薬事法上、それはストレートに書けない。
そういうこともあって、そもそも、効果・効能だけでは売りにくいモノもあります。
また、消費者の方々も賢くなっていますので、仮に、シミが消える!シワが無くなる!と、いくら声高に叫んだとしても「どうせ、誇大広告でしょ?」と思われ、信じてもらえないことがほとんどです。
そして、ご存知のとおり、現代は、モノ余りの時代。
似たような商品やサービスが、山のようにある時代です。
実際、ツバキ油シャンプーと、グーグルやヤフーで検索してみると、すでに、いくつも似たような商品が検索結果に出てきます。
似たような商品やサービスが数多くある中で、いかに、自分の商品やサービスを売っていくか
そこで大事なのは、やはり、ライバルとなる競合他社の商品やサービスと、どう違いを打ち出していくか
まずは、そこを、しっかりと考えていく必要があります。
似たような商品やサービスが山のようにある中で、どのように違いを打ち出して、自社の商品をお客様に選んでいただくか
もし、世の中に、ツバキ油のシャンプーを売ってるのが、その社長さんだけだったら、とくに苦労もしないでしょう。
「ツバキ油のシャンプーを売ってるのは、日本では、うちだけです。」
それだけを、どんどん広めていけば、いっくらでも売れることでしょう。
これぞ、まさに「限定」のチカラ。
そこでしか売ってないものは、お客さんは、どんどん買ってくれます。
人は、新しいものが大好き。
そこでしか買えないものは、日頃、目にする「ありふれたもの」とは違って、「これは知らなかった!」という新鮮な驚きが得られます。
そして、「こんなの知ってる?」って友達に話したくなる。
そうやって、商品は広まっていきます。
たとえば、他社のツバキ油シャンプーをすべて調査したうえで、自社の商品に配合されているツバキ油の濃度を、日本一、高濃度にする。
これも、ひとつのアイデア。
そうすることで、「こんなに高濃度のツバキ油シャンプーを売ってるのは、日本では、うちだけです。」と言えるようになります。
すると、これがひとつの「限定」のチカラとなり、消費者に新鮮な驚きを与え、商品が広まる原動力となります。
消費者の方々は、退屈な効果・効能の話だけを、詳しく聞きたいわけではなく、新しい発見、新鮮な驚きを、その商品、その商品やサービスを通じて感じたいのです。
ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン
そんな歌がありましたが、通販の世界では、こうはいきません。
お客さまにとってのオンリーワンになるための一番手っ取り早い方法が、なんらかの部分でナンバーワンになること
それだったりします。
ツバキ油シャンプーの椿の配合濃度を日本一にするというのは、あくまでも、ひとつのアイデアでしかありませんが、あなたの商品やサービスも、どうにかして、ナンバーワンになれる、そんな部分はないでしょうか?
お客さまに、新たな発見と、新鮮な驚きを与えられる、そんな特徴はないでしょうか?
それが見つかれば、そこを、どんどん広めていくことで、それが「広まるチカラ」となり、売上は、今以上にアップしていく
その可能性は、とても高くなります。
売れない売れないと悩む前に、ぜひ、そのあたりのことを、しっかりと考えてみてはいかがでしょうか。