3月15日。今日は、注文住宅の販売や、リフォーム、賃貸住宅事業を行っている会社の方が、うちの会社に相談に来られました。
ちなみに、売上は100億をこえ、テレビコマーシャルなんかもやっている会社です。
お話を聞いていると、やはり最近は、時代の流れなのか、昔ほどマイホームを持とうという人が少なくなっている(というか人口も減少傾向ですしね)
そのため、住宅販売の売上よりも、リフォーム・リノベーションの売上のほうが好調とのこと。
たしかに、私の父親世代(昭和20年代生まれ)などは「夢のマイホーム」みたいなことを、みんなが言ってた時代だったのでしょうけど、私たち世代(昭和50年代生まれ)は「一生、賃貸住宅でもかまわない」と思っている人間も少なくないですからね。
ただ、だからといって、まったく家が売れないわけではない。
要は、売り方。
家というものは、不動産投資でもやっていない限り、基本的には「一生に一度の買い物」です。
スーパーでキャベツを買うのとは違って、思い出に残ります。
だから、「家を売る」ということは「思い出を売る」ということでもあります。
こういう商品を売るときは、そこがわかっているかどうかが、とても大事です。
結婚式のオープニングムービーやプロフィールムービー、エンドロールムービーなどの動画作成サービスが売れるのも、そういう理由。
基本的には、結婚式も一生に一度の思い出ですからね(中には、2度、3度する人もいるようですが・苦笑)
ですので、家を売るときにも、まっさらな土地の状態から工事が完成するまで、そして入居の日の家族の様子など、一連の流れを撮影して、お客さんにDVDで渡してあげる。
こういうサービスは、とても喜ばれ、結果、売上は伸びることになります。
家だけを売っているのではなく、思い出も売っている。
そういう発想です。
今はキーボードを叩けばどこに何があるかがわかるようになっています。
コンビニエントな時代には、ひとつのモノを所有することの喜びが薄くなって、感動が違うものになってきたんです。
だから、そのモノを買って手にすると、その先にどんなハッピーが生活の中にあるかというところまで提案しなければいけない。
かつて、車やカメラのカタログも、デザインやスペック、スピードがどれだけ出るか、エンジンはどうか・・・・ということで宣伝していたけれど、おそらく今後はそれを使った生活がどういうものであるかというカタログが必要になってくるでしょう。
「物欲なき世界」(著者:菅付雅信/出版社: 平凡社)
商品ではなく、思い出を売る。
商品ではなく、夢を売る。
商品ではなく、ライフスタイルを売る。
商品ではなく、コミュニティを売る。
ミニマリストというような言葉が流行るくらい、人々が消費をしなくなった時代。
まさに、物欲なき世界で、商売繁盛していくには、思い出や夢、ライフスタイル、コミュニティを売るという発想が、とても大事なことなのです。