売上が10年連続右肩上がりで、2015年9月期の売上高が70億を超えた「ランクアップ」という会社があります。
この会社の商品は、アフィリエイトの業界でも「すごく紹介しやすい商品」としても話題になり、実際、私の著書「副業で100万円稼ぐ!カンタン最強アフィリエイト」でも、さりげなく紹介させていただきました。
「副業で100万円稼ぐ!カンタン最強アフィリエイト」(著者:時枝宗臣/出版社:ソシム)
アフィリエイトで効率よく稼ぐ方法は色々ありますが、そのひとつが「売れやすいヒット商品を紹介する」という点です。
アフィリエイトは、わかりやすく言ってしまえばブログやホームページなどで商品を紹介して稼ぐビジネスなので、もともと売れにくい商品は、いくら上手に紹介してもほとんど売れません。
逆に、もともと売れやすいヒット商品であれば、紹介が下手でも、販売ページにアクセスさえしてもらえば売れることが多々あります。
つまり、「売れやすいヒット商品をいかに見つけるか」ということが、アフィリエイトで稼ぐためには重要なスキルである。
ということを著書の中で説明するための一つの例として、株式会社ランクアップの「マナラホットクレンジングゲル」を紹介させていただきました。
ちなみに、「マナラホットクレンジングゲル」ですが、累計販売本数も500万本を突破し、これ1本だけでなんと約40億円も売れているようです。
他にも、朝専用の洗顔「モイストウォッシュゲル」が8億円、「BBリキッドバー」が4億円というように、株式会社ランクアップは数々のヒット商品を生み出している会社です。
こういう話をすると、「通販ビジネスって、ほんと、凄いんですね」という方がいらっしゃるので、参考までに他の通販会社のデータも紹介しておきましょう。
2014年のデータにはなりますが、わが町福岡のキューサイ(株)の売上高が約274億1000万円。
お隣の熊本の(株)えがお の売上高が約264億6100万円。
そして、またも福岡ですが、(株)はぴねすくらぶ の売上高が約240億7900万円、(株)やずや の売上高が約194億円、(株)エバーライフ の売上高が約130 億2800万円というデータが公表されています。(帝国データバンク「九州・沖縄地区の健康食品販売業者の経営実態調査(2014年度)」より抜粋)
なお、通販会社全般でいえば、2016年1月7日付けの日本流通産業新聞のNewsによれば、Amazonがぶっちぎりの売上高で7000億円以上、それに続くのがアスクルで約2500億円、ベネッセコーポレーションが約2200億円、ジャパネットたかた が約1500億円というように続いています。
こういったデータから見ても、インターネット通販の市場の大きさはわかると思いますし、そこでヒット商品が出れば、株式会社ランクアップのマナラホットクレンジングゲルのように単品でも40億円の売上がたつというのも、よくわかるのではないでしょうか。
なお、株式会社ランクアップの代表、岩崎裕美子さんは大ヒット商品「マナラホットクレンジングゲル」が売れた理由を、こう語っていらっしゃいます。
この製品がこんなに売れたのは、製品の特長がしっかりしていたからです。
私は、製品を開発する当初から特長をつくることにこだわっていました。
それは、広告代理店に勤めているときの経験が大きく影響していました。
(中略)
私が考える強い特長とは、「誰が何のために使うのか」を説明できることです。
わかりやすい特長がないと、人に製品の良さを伝えるのにとっても苦労しますし、伝わらないから売れないのです。
(中略)
創業当初、広告は私と取締役の日高でつくっていました。
たくさんの広告を自分たちでつくり、効果を検証するのです。
どんなに特長がある製品でも、わかりやすい言葉で伝えられなければ、お客様には響きません。
そんななか、日高がつくった「社長インタビュー原稿」が大当たりしたのです。
その広告はインタビュー形式で製品と会社の特長を社長の私が語るというものだったのですが、非常にわかりやすかったようで、お客様からの注文が倍増しました。
このように、製品は同じでもわかりやすく伝えられるかどうかで、売り上げはまるで変わるのです。
ですから、「製品の特長をどのような表現でお客様に伝えるか?」は本当に重要です。
今でも私たちの会社では、社員が伝える力を身につけられるように、新しい広告や会報誌を使いながら日々勉強しています。
(中略)
製品はすばらしいのに、販売力がない。
製品もよく、広告もうまいけど、お客様対応が雑。
広告はよくできているけど、製品がいまいちで、がっかりした。
そんな会社を、私は広告代理店のとき、たくさん見てきました。
いくら広告をつくるのがうまくて、製品は売れていても、お客様への対応がまったくできていない会社が多く、本当にびっくりしたのです。
この3つを極めることは本当に難しいことなんだと実感していました。
差別化した製品をつくる、それをわかりやすく伝える、そして購入したお客様に丁寧に対応する。
たったこれだけのことですが、この3つを極めることで、他者とは圧倒的に差がつき、お客様がファンになり、安定した経営ができるようになるのです。
そして、それが結果的に長時間労働を必要としないビジネスモデルになっていったのです。
「ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社」(著者:岩崎 裕美子/出版社:クロスメディア・パブリッシング)
もともと私と日高は広告代理店で営業として働いていたので、毎日売り上げを上げるために終電まで働いていました。
当時は売り上げのノルマもあるし、しかもノルマが達成できないとクビになりそうという危機的な環境で働いていたので、残業が少なくてノルマのないこの会社の仕事に不満がある理由が全然わからなかったんです。
売上は順調なのに、会社は暗くて、社員から聞こえてくる噂は、会社の悪口ばかり。
当時は、2人で飲みに行くといつもこの話ばかりでした。
「ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社」(著者:岩崎 裕美子/出版社:クロスメディア・パブリッシング)
さて。
今でこそ、売上は絶好調、それに加えて、「ほぼ残業しないで10年連続で売り上げを上げ続けている会社」として、日経新聞や朝日新聞、日本テレビなど多くのメディアで話題になり、2013年には東京都のワークライフバランス、育児・介護休業制度充実部門で認定企業に選ばれている同社ですが、経営者の岩崎さんは長いこと悩んでいらっしゃったようです。
売上は順調なのに、会社は暗くて、社員から聞こえてくる噂は、会社の悪口ばかり。
このようなことで悩んでいる経営者の方は、ほんと多いんじゃないかなとも思います。
実際、私も、経営者仲間と飲んだりするときに、こういった話題になることが、たまにあります。
ある意味、経営者と従業員の関係って、相容れない部分もあるので仕方のないことかもしれません。
新しい理念を社員に発表したとき、「いったい、なにがどうしたの?」という感じでポカンとしている社員に、「こんなにいい理念なのにどうしてみんな賛同してくれないの?」と不思議に思いました。
「ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社」(著者:岩崎 裕美子/出版社:クロスメディア・パブリッシング)
これも、経営者の方なら、経験のある方が多いのではないでしょうか。
経営者目線で、どんなに素晴らしい理念を掲げたとしても、従業員にはまったく響かない。
ほんと、よくあることですし、だからこそ、経営者の悩みはつきない。
どうすれば、チーム一丸となって、同じ方向を向いて、会社も、そして、人も成長していけるのか?
そういったことに悩んでいる経営者の方にとって、「ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社」という本は、とてもおススメです。
ランクアップ株式会社で行われたこと
1:全社員に定時退社を徹底する
2:毎月の業務の棚卸で、やる、やらない、を選別
3:取引先を巻き込む理念共有型アウトソーシング
4:ルーティンワークは、どんどんシステム化
「ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社」(著者:岩崎 裕美子/出版社:クロスメディア・パブリッシング)
なお、こちらの記事でも書きましたが、私の会社も、従業員の方々は、ほとんど残業をしません。(というか、残業をしないでいいような優秀な働き方をされていて、社長としては感謝の気持ちで一杯になります)
ですので、「どうすれば、残業をせずに、仕事を円滑に進めていけるか」という点でも、岩崎さんの本は共感もでき、役立つ内容もたくさんありました。
「毎月の業務の棚卸で、やる、やらない、を選別」というのは、言い換えれば「常に、やらなくていい仕事を見つける」ということ。
良かれと思って行っている仕事のやり方が、目的を達成するためには、まったく無駄な作業であることは、ほんと、よくあることです。
常に、無駄を省く。
そのための仕組みを、どう作っていくか。
こういうことも、会社をより発展させていくためには、とても重要なことのように思います。